大判例

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東京地方裁判所 昭和41年(ワ)4794号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕右履行不能によつて被告が原告に対し填補賠償として負担すべき損害額は、被告の債務が履行不能となつた前記昭和四一年五月一二日当時の右賃借権の価格相当額であるというべきである。

しかして鑑定人……の鑑定の結果は、借家権は建物使用権と敷地利用権からなるが、新橋駅の南約六〇〇メートルの第一京浜国道西側に面接する高度商業地域にある本件建物の借家権は昭和四二年二月二〇日当時の本件建物の価額五四万六〇〇〇円、右建物敷地(前記一三坪)の更地価額3.3平方メートル(一坪)当り金九〇万円、総額金一一七〇万円、その借地権価額右更地価額の八〇%に当る金九三六万円であつて、借家権は右建物価額と借地権価額の三五%に当る金三四六万七〇〇〇円と評価している。しかしながら、本件においては、前記のとおり、被告が本件家屋の敷地の賃借権の取得について賃貸人の承諾を得ず、右賃借権の譲受けたことを賃貸人に主張できなかつたため、本件建物の収去を余儀なくされ、原告に対する本件家屋の賃貸債務の履行不能を生じたのであるから(一般に借家権にはなんらかの敷地利用権を伴うとしても)ただちに、建物の賃貸人か敷地につき借地権ある場合の市場価額と同一に評価することは相当でない。しかも……によれば、原告会社代表者も、賃貸借契約当時もしくはその後間もなく、被告と地主本木との間の敷地賃借権譲受けの承諾をめぐつて紛争か未解決のままであることを仲介人または被告から聞いており、また原告会社が敷金のほかに権利金の名目で支払つた金額も金五〇万円であつて、これが、賃借権設定の対価たる実質を有するものとみられる点も斟酌しなければならない。そこで右金額から推定される当時の敷地利用権の価額と当時上昇しつつあつた土地のその後の騰貴に伴い予見された土地使用権価額の上昇および右建物敷地の利用権の性質等の諸事情を勘案し、本件建物の賃借権に伴う敷地の利用権は、前記敷地の更地価額の約八%にあたる金九〇万円と認めるのが相当である。これに前記建物価額の三五%に当る建物使用権の価額を加えた合計金一〇九万一一〇〇円が前記鑑定当時の本件建物の借家権の価額であつたと認められる。(渡辺卓哉)

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